『遅球』で強豪校に勝利

【2008年7月17日・伊勢原球場 (全国高校野球北神奈川大会)】
チーム
光明相模原
厚木北

この年の夏は第90回記念大会で神奈川は北神奈川と南神奈川に分かれて
2校が甲子園へ出場する事になった。
厚木北が属する北相地区の高校はは川崎地区と横浜地区北部の高校と共に
北神奈川大会からの出場となった。
組合せ抽選の結果,厚木北は2回戦から登場で対戦相手は光明相模原と
厚木の勝者になった。
光明相模原は昨年,一昨年と続けて神奈川大会のベスト8へ進出しており,
1回戦の結果もコールド勝ちで厚木を退けた。
下馬評は圧倒的に光明相模原有利であった。
私は6年前の3回戦で光明相模原と対戦した試合を思い出していた。
あの時も今回と同じく光明相模原が有利であったが勝ったのは厚木北。
(詳細は思い出の試合「16年ぶり4回戦進出」をご覧ください)
  • 16年ぶり4回戦進出 いつも有利な方が勝つとは限らないのだ。 先発を任された投手は右横手投げの背番号11番・中原徹投手(3年)。 球速は110`に届かない「遅球」だがナチュナルにシュートする くせのある直球を投げる。 中原は初回先頭打者に甘く入ったスライダーで本塁打を打たれた。 ハートの弱い投手なら崩れてゆくところだが,中原は「どうせなら 思い切って投げよう」と開き直った。 光明相模原の右打者は外角に強く,内角に弱いとの情報を得ていた。 内角の球を打つ時にスイングがアッパーぎみになってしまうのだ。 厚木北のバッテリーはこの後徹底的の内角を攻め続けた。 対して光明相模原の選手は本塁打を打って押せ押せでいけると思った。 これが力みとアッパースイングという「影」を落とす事になる。 その裏厚木北は適時打と敵失ですぐに逆転した。 回が進むと光明相模原は飛球のアウトが多い事に気付いた。 5回を終了して15アウト中13アウトが飛球によるアウトだった。 打ち気にはやってポンポンと打ち上げているのだ。 8回はセフティーバントの内野安打で出塁した走者が盗塁失敗でアウト。 9回無死から先頭打者が出塁して中軸を迎える光明相模原は強攻を選択。 しかし中飛,一飛,右飛と飛球を打ち上げて無得点で試合終了。 中原は散発4安打1四球で公式戦初完投勝利を記録。 本塁打の後,安打を打ったのは左打者のみだった。 27アウト中,23アウトが飛球又はライナーで残りは三振,一ゴロ, 犠打,盗塁失敗によるアウトだった。 剛速球で相手をねじ伏せる野球は多くの野球ファンが喜ぶでしょう。 しかし速球に強い打者を相手にした場合は本塁打を打たれる事もある。 甘いコースに投げない制球力がある事が前提であるが,要はバッティングの タイミングを合わせなければ抑えれると認識した試合だった。




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